こんにちは、おそうじ情報館(カイユウ商事)の高根です。
あく洗いの仕事は、石材と同様に汚れが中に染み込んでいく素材の為、洗浄しにくく、苦手としている方も多い仕事です。
掃除の仕事(特にハウスクリーニング)の仕事をしていれば、必ずといっていいほど、「あく洗い」の仕事はやってきます。
現在は、洗剤メーカーから「あく洗い用の洗剤」が販売されていますので、メーカーのマニュアルに従って作業をすれば「あく洗い」の仕事はある程度は可能です。
ところが、思ったとおりに仕上げるのが難しいのが現実。
たとえば・・・
洗浄後、赤黒く変色してしまう。
表面
に「けば立ち」が目立つ。
なんとなく仕上りが、いまいち。
汚れの種類が分からなく、どう対処したらいいか?
ムラになってしまう
複数で作業した場合、色が合わない。
お客さんが要望する色にできない。
シミが抜けない。
メーカーのカタログには、「塗るだけできれいになる」とありますが、このようなことが、よくあるわけです。
これは、あく洗いが、普通の掃除と違い「木」という自然のものが対象なので、単に「薬品の知識」「作業方法」を身につけただけでは対処できない、ということではないでしょうか?
あく洗いをマスターするには、「薬品の知識」「作業方法」だけでなく「木についての知識」「自然環境」「木造建築」など技術以外のことを様々な角度から学ぶ必要がある仕事といえます。
また、あく洗いの歴史は古く、洗浄方法もいろいろあります。
その一部を挙げれば・・・
●木を燃やしてできた「灰」を使った伝統的な技法。
●苛性ソーダを使った洗い方。
●過酸化水素・フッ化水素など薬品を使った洗い方。
●メーカーが販売している「洗剤」を使った洗い方。
これらの洗浄方法について、長所・短所を含めご存知の方は、少ないと思います。
そして、「なぜ、その薬品を使うのか?」「なぜ、その洗浄方法でやるのか?」これに答えることができる方も少ないはずです。
あく洗いは、その他の掃除と違い、単にきれいにするだけでは、お客さんから「一流の職人」と認めてもらえません。
たとえば、仕上げの色。まずは下記の写真をご覧下さい。
これは、右側が「洗浄前」左上半分が「新品仕上げ」左下半分が「古色仕上げ」となっています。
この写真では、2色しかありませんが、あく洗いのプロは、10色の見本をお客さんに見せ、好みの色に仕上げることもあるそうです。
私は今まで、あく洗いは、「白っぽくすればきれいに見え、お客さんも満足するのでは?」と思っていました。
プロのあく洗い職人さんは、10色もだせるなんて驚きです。
「シミ」「カビ」を見ただけで、びびってしまう私なんか、問題外ですね。
そこで、あく洗いのプロは、どこが普通と違うのか?ご案内いたします。
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「木」の種類を判別できる。 |
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木によって 様々な特長がありますが、住宅用などに加工された「木」を判別
するのは、意外と難しいものです。洗浄の際、木の種類を意識して洗浄するか、全く分からずに洗浄するか、ここに違いがあります。
あく洗いの目的は、きれいにすることのほかに、「木」本来の「色・臭い・触った感触」などを元に戻す目的もあります。これをマスターするには、「木」の種類・特性を
よく理解する必要があります。 |
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「落ちない汚れ」を見分けることができる。 |
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「落ちない汚れ」については、お客さんに、「落ちない理由」を事前に説明する必要があります。事前に説明しないとお客さんもがっかりするでしょうから。しかし、問題はその理由。理由を明確に説明できるかどうか、これがプロとの分かれ目です。たとえば「カビ」。カビにも「木の成長段階でできたカビ」と「木を加工した後できたカビ」の2種類があるそうです。(皆さんは知っているかもしれませんが、私は知らなかった)
この2種類の「カビ」に対して、あなたは、どう対処しますか? |
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「仕上りの色」をお客さんの希望に合わせることができる。 |
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仕上りの「色」は重要です。例えば、住宅内部であれば、色によって室内の雰囲気が全く違ってくるからです。ですから、単に「白っぽく」すればお客さんが満足するわけではないのです。
ところで、どうやって、色を変えるか?ご存知ですか?ちなみに私はまったくわかりません。
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「木の臭い」を復活させることができる。 |
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プロ並みにあく洗いができると、「木」本来の臭いがでてくるそうです。今回講師をしていただく平川さんは、檜のあく洗い後、お客さんから「檜の臭いがきつい」と言われたことがあるそうです。
私がやると、たぶん「洗剤の臭い」しか、しないと思うんですけど・・・
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薬品の力と害についての知識が豊富で自然環境を壊さない「あく洗い」ができる。 |
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あく洗いは、強い薬品を使用します。薬品の知識がないと、素材を傷めたり、自分自身が怪我をします。また、まわりの植物・犬などのペットにも影響を与えます。(最悪の場合、ペットなどが死ぬ
ことも)あく洗いは、「木」を綺麗にするだけでなく、自然のメカニズムを理解し、自然環境を壊さない洗浄方法で作業する必要があります。
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以上は、ほんの一部です。 あく洗いは、古くから行われており、掃除の原点といわれている仕事です。掃除の基本、掃除に対する考え方、取り組む姿勢などが凝縮された仕事です。単に「汚れを落とす」これは経験を重ねれば技術は向上します。しかし、お客さん・素材・建物・動植物など自然環境をも視野に入れた「掃除」となると、どうでしょうか?
あく洗いは、「木材」という「自然のもの」が洗浄対象です。 「自然のもの」が対象ですから、当然「木」「水」「土」など自然のメカニズムを学ぶことも重要になってきます。
現在のような化学薬品がなかった時代にも、あく洗いをして「木造建築物」をきれいにすることができたのは、自然の「力」を理解し、それを最大限活用したから、可能だったのではないでしょうか?
このセミナーでは、「 現在のあく洗い」が中心となりますが、自然のメカニズム・自然の「力」を活用した「伝統的な技法に基づくあく洗い」についてもお伝えしたいと思っております。
化学薬品が中心の現在ですが、自然の「力」を学ぶことによって、あく洗い以外の「掃除」にも応用できるかもしれません。ぜひ、このセミナーにご参加いただければと思います。
このセミナーは、社寺仏閣における、あく洗いの実績を多くもち、自然・木造建築の知識も豊富な、平川美知雄氏(なんでもポケット代表)
に講師をしていただくこととになりました。
それでは、セミナーの詳細をご案内する前に、このセミナーであなたが得られる知識と技術の一部をご案内したいと思います。
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本来の「あく洗い」の目的を知ることで、変色などのトラブルを減らすことができる! |
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あく洗いは、汚れをとることが目的のひとつですが、本来は少し違います。本来の目的を知ることで、薬品の使い方も違ってくると思います。本来の目的に沿った使い方ができるようになれば、変色などトラブルも少なくなります。 |
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「自然環境を壊さない」化学薬品を使ったあく洗いの方法を学ぶことができる! |
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環境問題について話題になることが多くなった現在ですが、普段の掃除で「自然環境」を意識しながら作業することは意外と少ないと思います。作業仕様書で「環境にやさしい○○○を使います」とあっても、「汚れを落とす」ことに専念し、環境のことは頭から離れてしまうと思います。ところが、あく洗いは常に「自然環境」を意識した作業をしないと多くのトラブル・事故が発生するので注意が必要です。汚れが落ちても、強い薬品から出るガスによって小動物が死んだり、植物を枯らしたりするからです。もし、あく洗いの最中にお客さんが飼っている動物が死んだらどうしますか?
このセミナーでは、自然環境を壊さない為の作業方法と薬品の知識を学ぶことができます。
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お客さんの要望に合った「色」を出せるようになる! |
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作業前に仕上りの「色」についてお客さんと打合せをする方は少ないと思います。しかし、お客さんからすれば、「色」は極めて重要なことです。建物全体・室内の雰囲気が全く違ってくるからです。「色」について事前に打合せができ、要望に合った色が出せれば、
これだけでも、ライバル会社と差別化をはかれます。価格優先から技術で選ばれるようになるかも?
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プロのあく洗い職人の作業工程がわかる! |
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プロの仕上りにする上で需要なのは、作業工程。各工程でどんな薬品を使い、薬品によって素材がどんな影響を受け変化するのか?これを考えながら作業すれば失敗も少なくなります。また、市販されている専用洗剤で仕上りがよくない時は、この工程を元に作業を見直せば、解決できることがあります。 |
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「木」本来の「臭い」を戻す作業方法を学ぶことができる! |
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目で見た「色」でお客さんを魅了したら、更に本来の「臭い」も戻っていればお客さんの満足度は更に増すことになります。色と臭いが復活できれば、新築時の雰囲気をお客さんにプレゼントすることができます。 |
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あく洗いの商談がうまくなる! |
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「あく洗いをすると、こんなにきれいになります」と、このような商談は、ほかのライバル会社も同じようなこと言っているので、「価格」で選ばれることになりかねません。技術をPRしたいのなら、木造建築に関すること、「木」に関すること、自然に関することなど、総合的に「木の専門家」であることをアピールできる話をしなければなりません。
このセミナーでは、技術的なことのほかに、「木造建築」・「木・水・土」など自然に関する知識もお伝えしたいと思っています。
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続いて、予定しているセミナーの内容です。
セミナーの進行状況によっては、変更となる場合もあります。ご了承ください。
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「あく洗いの専門家」としての技術以外に必要な知識 |
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●自然の「力」を知る
・自然の「木」について
・「土」について
・「水」について
●「木」について知る
・あく洗いの目的 〜木に対し、なぜ、あく洗いが必要なのか?〜
・木材の種類と特性
・「木」の構造 〜木の構造から、洗浄する際の注意することとは?〜
・現在の木材の現状と問題点、その対処方法
・輸入材の特性 〜日本の「木」との違いとは?〜
・よくある木材の判別ミス 〜建築のプロでも木材の判別ができないことがある!〜
●木造建築について知る
・「木」は、なぜ強いのか? 〜木は、鉄・コンクリートより強い!〜
・木造建築物の耐久性に違いがでるのはなぜか?
〜 法隆寺と日光東照宮の耐久性違いとその理由〜
〜中国の木造建築と日本の木造建築〜
〜耐久性とあく洗いの関係〜
〜建築物の耐久性を左右するのは、「知識」「技術」だけではない!あく洗いの場合は?〜
※こここでのポイントは・・・
「自然の木」「土」「水」が、あく洗いに限らず「掃除」と、どう関連していくか?ということです。
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あく洗いの技術 |
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●あく洗いに必要な準備
・必要な道具
・洗浄する前にやるべきことは?
●薬品の力と害
・あく洗いが原因で起こる事故と対策
・化学薬品の素材への影響と注意点・対策
・化学薬品の人体への影響と注意点・対策
・化学薬品の植物・動物への影響と注意点・対策
・化学薬品の基本知識
<洗浄方法> 〜代表的な二つの方法と伝統的な技法〜
●市販の洗剤を使用する方法
・作業工程 〜ビデオを使用して説明いたします〜
・作業する上で注意すること
・市販の洗剤を使うメリットとデメリット
●化学薬品(過酸化水素など)を使用する方法
・作業工程
・作業する上で注意すること
・化学薬品で洗浄する際のメリットとデメリット
●「灰」を使った伝統的な技法による「あく洗い」
・なぜ「灰」で汚れが落ちるのか?
・どんな灰を使えばきれいになるのか?
・作業工程
・「灰」を使う場合のメリットとデメリット
●その他のあく洗い
・苛性ソーダを使ったあく洗い
・牛乳・ほんれんそう・柿渋・米ぬかなどの使用
●塗装業者のあく洗い
●市販の洗剤を使う場合と化学薬品を使う場合の違いについて
・仕上りの違い
・作業工程の違い
・作業時間の違い
・材料費の違い
●古色仕上げと新品仕上げ
・どのような建物が古色仕上げを希望するのか?
・仕上げの色を調整する方法
●中和について
・中和の目的
・薬品での中和と水での中和
・中和が不十分な場合の素材・人体・環境への影響
●集成材について
・洗浄方法と問題点
・集成材の見分け方
●カビについて
・カビが発生するしくみ
・カビへの対処方法と注意点・問題点
<よくある質問>
●シミの取り方の基本
●なぜ変色してしまうか?その対処方法とは?
●なぜ、ムラになってしまうのか?
●ケバダチがでるのは、なぜか? どう対処すればいいか?
●日焼けには、どう対処すればいいか?
●洗浄不可能な「木」の状態とは? |
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あく洗いの実演 |
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<現在の技術による実演>
・200年前の杉板を使った実演となる予定です。 |
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